あれは、卒業して、3度目の同窓会でした。

参加するかどうか、迷っていました。
前回の同窓会が、あまり面白くなかったし、
逢いたいと思う人は、なかなか来られないって言うし・・・

同窓会の往復はがきを眺めながら、
yasuに電話した。
「俺は、行くつもりだけど・・・
お前も、来いよ。」
その一言で、参加を決めてしまった。

当日、yasuは、ある街の成人式に参加していた。
亡くなった親友が遺した曲を、
成人するみんなの前で、披露するとの事だった。
街からの要請で、参加すると言っていた。

もちろん、同窓会に間に合うはずもない。
私の携帯に、
「やっぱり、遅れるから、幹事に伝えておいてくれよ。」と言った。
みんな、不思議がった。
どうして、yasuが、私に電話を入れるのかを・・・

1次会が終わる頃、yasuはやっとやって来た。
すぐに2次会突入になって、
私はyasuの隣で、成人式の演奏がうまく出来たか聞いていた。
それを見ていた、ある友達が、私に聞いた。

「花音ちゃんって、yasuと仲良かった?
さっきから見ていたんだけど、2人、あやしいなぁ〜」

「yasuとは電話して、話し聞いてもらったり・・
学生の時と、変わらないよ。」

「花音ちゃん。彼氏は?
まさか、yasuって事はないよねぇ〜」

「あのね。もし付き合ってたら、同窓会に参加しないで、
2人で会うよ。でしょう?」

yasuは、笑いながら、黙って聞いていた。
私が嫌いなピアスと、少し長い髪が気になっていた。

3次会にも、参加して、
yasuに車で送ってもらう事にした。
私は飲み過ぎて、少し陽気になりすぎていた。
かなり遅い時間になったので、
みんなより先に帰る事にした。

yasuの車の助手席に乗るのは、何度目だろう。
車に乗ると、yasuのタバコの匂いがした。
私は、沈黙が怖くて、一人で話していた。

「どうして、ピアスしてるの?
どうして、髪ちゃんと切らないの?
私が、だらしない格好が嫌いだって知ってるくせに・・・」

「俺、今日な、
お前に会って、怒られたかったのかもしれない・・・」

「なんで?」

「俺のこと、心配して、
ちゃんと怒ってくれるの、お前だけだから・・・」

「だって、心配かけるようなことばっかりしてるんだもん。
怒って欲しかったら、いつでも来て!
パンチ、飛ぶかもよ・・・」

こんな風に言いながら、私はすごくドキドキしていた。
yasuの顔を、まともに見られなかった。
急に、何を言ってるんだろう・・・
何かあったのかもしれない・・・
頭の中で、いろんな事を考えていた。

帰り際、「また連絡するよ」と、yasuは言った。
「期待しないで、待ってる!」って、笑って言った。

yasuの車を、見送りながら、
もう、二度と逢えないかもしれないと、心の奥で思っていた。
私は、その時、すでに、
ある人との、結婚を決めていた。

それから、3週間後・・・
私は、yasuの気持ちを知ってしまった。
すべてが動き出した瞬間だった。


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