すべてが動き出した瞬間
2003年4月11日あれは、卒業して、3度目の同窓会でした。
参加するかどうか、迷っていました。
前回の同窓会が、あまり面白くなかったし、
逢いたいと思う人は、なかなか来られないって言うし・・・
同窓会の往復はがきを眺めながら、
yasuに電話した。
「俺は、行くつもりだけど・・・
お前も、来いよ。」
その一言で、参加を決めてしまった。
当日、yasuは、ある街の成人式に参加していた。
亡くなった親友が遺した曲を、
成人するみんなの前で、披露するとの事だった。
街からの要請で、参加すると言っていた。
もちろん、同窓会に間に合うはずもない。
私の携帯に、
「やっぱり、遅れるから、幹事に伝えておいてくれよ。」と言った。
みんな、不思議がった。
どうして、yasuが、私に電話を入れるのかを・・・
1次会が終わる頃、yasuはやっとやって来た。
すぐに2次会突入になって、
私はyasuの隣で、成人式の演奏がうまく出来たか聞いていた。
それを見ていた、ある友達が、私に聞いた。
「花音ちゃんって、yasuと仲良かった?
さっきから見ていたんだけど、2人、あやしいなぁ〜」
「yasuとは電話して、話し聞いてもらったり・・
学生の時と、変わらないよ。」
「花音ちゃん。彼氏は?
まさか、yasuって事はないよねぇ〜」
「あのね。もし付き合ってたら、同窓会に参加しないで、
2人で会うよ。でしょう?」
yasuは、笑いながら、黙って聞いていた。
私が嫌いなピアスと、少し長い髪が気になっていた。
3次会にも、参加して、
yasuに車で送ってもらう事にした。
私は飲み過ぎて、少し陽気になりすぎていた。
かなり遅い時間になったので、
みんなより先に帰る事にした。
yasuの車の助手席に乗るのは、何度目だろう。
車に乗ると、yasuのタバコの匂いがした。
私は、沈黙が怖くて、一人で話していた。
「どうして、ピアスしてるの?
どうして、髪ちゃんと切らないの?
私が、だらしない格好が嫌いだって知ってるくせに・・・」
「俺、今日な、
お前に会って、怒られたかったのかもしれない・・・」
「なんで?」
「俺のこと、心配して、
ちゃんと怒ってくれるの、お前だけだから・・・」
「だって、心配かけるようなことばっかりしてるんだもん。
怒って欲しかったら、いつでも来て!
パンチ、飛ぶかもよ・・・」
こんな風に言いながら、私はすごくドキドキしていた。
yasuの顔を、まともに見られなかった。
急に、何を言ってるんだろう・・・
何かあったのかもしれない・・・
頭の中で、いろんな事を考えていた。
帰り際、「また連絡するよ」と、yasuは言った。
「期待しないで、待ってる!」って、笑って言った。
yasuの車を、見送りながら、
もう、二度と逢えないかもしれないと、心の奥で思っていた。
私は、その時、すでに、
ある人との、結婚を決めていた。
それから、3週間後・・・
私は、yasuの気持ちを知ってしまった。
すべてが動き出した瞬間だった。
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