夏
2003年7月16日さわやかな、
夏の空が広がっていました。
yasuは、夏がとても似合う人だった。
この時期、あの頃の私達は、
大会前の追い込みで、
朝から晩まで、
クラブ活動に明け暮れていた。
真っ黒に日焼けした私は、
恥ずかしいほど、真っ黒になっていた。
yasuは、痩せた体が、
もっと引き締まったようになっていた。
バスケ部のランニングでは、
yasuが一番先頭を走っていた。
私の知っているyasuとは、少し違う気がしていた。
好きな事には、本当に一生懸命で、
感心するほどだった。
ただ、一生懸命になればなるほど、
yasuは、どこか、淋しそうに見えた。
クラブが終わって、帰り道が同じだった私達は、
よく、自転車を並べて帰った。
海沿いの道を、いろんな事を話しながら・・・
日焼けした私を、よくからかったよね。
口ゲンカばかりだったけど、
私が子供なりに、一番素直になれるのは、
yasuの前だけだと、思っていた。
恋じゃない、愛じゃない、
友情より強い、信頼のようなものだった。
家まで送ってくれて、
私は、見えなくなるまで、背中を見送る。
どこかで、yasuが、
消えてしまいそうな気がしていた。
彼氏の親友、親友の彼女・・・
私は、その枠から、
はみだしてはいけないような気がしていた。
それから、10年・・・
私達は、やっと、
元彼の親友ではなく、親友の元彼女でなく、
そのしがらみから、解き放たれた気がしていた。
でも、結局、私達は、
何も、変わっていなかったのかもしれない。
また、新しい夏が来る・・・
あの頃が眩しすぎるから、
幻を追ってしまう。
今になっても、
私にとっての夏は、
あの時の、あの場所なのかもしれない。
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