ひとめぼれ?

2003年7月30日
  
時計は4時を指していた。

「もう、帰らなきゃ・・・」
次の日も、試合の永さんに、
睡眠時間は、ほとんど残されていなかった。

ホテルに向かう帰り道、
永さんがつぶやいた。
「花音ちゃんが同じ学校の子なら、
絶対付き合ったのに・・・」
どこかで、分かっていた。

「俺、花音ちゃんの事、好きだけど、ダメなんだ。
一緒にいたいけど、
いつも、そばにいてあげられないから・・・」
もう、十分過ぎる言葉だった。

1年越しで憧れていた人と、こうして話が出来て、
これ以上、何を望むというのだろう・・・
「気にしないで下さい。大丈夫です・・・」
永さんに、心配かけたくなかった。

私をホテルの前まで送ってくれた。
お礼を言って頭を下げると、
永さんは、私を引き寄せて、もう一度キスをした。
これ以上、何かがあると、
気持ちが抑えられなくなってしまう。

永さんが、「じゃあね。」と言った。
帰って行く後姿を、
見えなくなるまで見送った。

私の中の、永さんは、
憧れでは、なくなっていた・・・

つづく
  
  

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