ひとめぼれ?
2003年8月5日18歳の春になった。
永さんに逢う、最後の対抗戦・・・
夏の大会に、
私は研修で参加できない事が分かっていた。
夏の大会は、
永さんにとって最後の大会だった。
決めていた。
今日で、永さんに逢うのは最後だから、
しっかり、PLAYを見ておこう・・・
忘れないぐらい、しっかり心に焼き付けようと・・・
永さんは、相変わらず、
さわやかで、強くて、輝いていた。
私は、カバンの中に、
封筒を、しのばせていた。
昔、先輩からもらった、永さんの写真・・・
それと、この前の秋に、
永さんと隣で写った集合写真・・・
そして、短い手紙・・・
閉会式が終わり、後片付けの時、
私は、永さんの学校のマネージャーに、
「この封筒、永さんにお渡し下さい・・・」とお願いした。
どうしても、永さんに、直接渡せなかった。
帰り支度をし、永さんの学校のベンチに向かって、
みんなで、「失礼しま〜す!」と頭を下げた。
私は、頭が上げられなかった。
ただ、封筒に入れたメッセージが、
私の気持ちの全てだった。
『この写真は、私の大好きな永さんがいっぱいでした。
私が持っているのは、辛いので、
お渡しします。
そして、約束だった、この前の秋の集合写真です。
たくさんの優しさと、
素敵なPLAYをありがとうございました。
夏の大会、頑張ってください。
花音より 』
帰りの電車の中で、
今までの思い出が、蘇ってきた。
他のみんなに分からないように、
涙を隠した・・・
つづく
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