先生との恋 ?
2004年1月21日指定された日、
指定された時間に電話した。
彼は、卒業祝いをしたいと言ってくれた。
次の週の日曜日、
家に遊びに来てと、誘ってくれた。
当日、指定された時間に、
彼の部屋へ行った。
部屋の中は、サッカーとサザンに関するもので、
溢れていた。
机の上には、あの日、渡したチョコレートがあった。
「まだ、食べてないんだ?
チョコレート好きじゃなかった?」
と私が聞くと、
「もったいないから、毎日1個って決めて食べているんだ。」と、
笑いながら言ってくれた。
コタツに入って、サザンを聞きながら、
大学時代の事や、地元の話をしてくれた。
知らない彼の事を知るたびに、
どんどん惹かれていく私がいた。
「いつも、コーヒー淹れてくれていたから、
今日は、俺が淹れるよ・・・」
彼はそう言って、温かいコーヒーを淹れてくれた。
彼の優しさ、ひとつひとつのしぐさ、
何もかもが大人で、私は、夢の中にいるようだった。
私達は、話が途切れないほど、
いろんな事を話した。
半月後には、就職のため、
この場所を離れてしまう不安・・・
知らない土地に、行く事・・・
社会人として、やっていけるかどうか・・・
彼は、ひとつひとつの不安に、
一生懸命答えてくれた。
自分の経験も含めて、丁寧に・・・
どこかで、「早く卒業したい!」と思っていたが、
本当は、すごく怖かった。
こんな不安を、誰かにぶつけたのは初めてだった。
「大丈夫だよ!
花音ちゃん頑張れるよ!」
そう言って、彼は笑ってくれた。
私は、不覚にも涙が流れてしまった。
見られたくない泣き顔を隠すため、
コタツに寝転がって、大きく背伸びをすると、
涙を隠した。
「泣いてるの?」
彼は、私の顔を覗き込んだ。
「泣いてません!」
急いで、顔を隠した。
彼は、ふざけて私の腕を掴んで、
「泣くんなら、ここ!」って、自分の胸を指して、
私を引き寄せた。
つづく
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