先生との恋 ?

2004年1月25日
   
数日経っても、気持ちが晴れなかった。
就職の準備も、しなければならなかった。
時間だけが、過ぎていった。

友達と逢う約束をした。
借りていたCDも、返さなければいけなかったので、
バイト先の喫茶店で待ち合わせをした。
彼に逢うかもしれないと思いながらも、
マスターに、挨拶もしたかった気持ちもあった。

友達は、先に来ていた。
マスターに挨拶をして、
少し遅いランチを食べていた。
入り口のドアが開いて、
彼が同僚の先生と、お店に入って来た。

心臓が止まりそうだった。
彼も私を見て、はっとしたけど、
平静を装っていた。

私と友達は、
お互いのこれからの事や、
一人暮らしの自由さについて、話していた。

アルバイトの女の子が、
頼んでもいないコーヒーを、私達の席に置いた。
「コーヒーは頼んでないよ!」と言うと、
「あちらの方から、頼まれまして・・・」と、
彼を指差した。

「花音、知ってる人?」と、友達に聞かれたので、
「うん、妹の学校の先生なんだ。
ここでバイトしていて、知り合いになっちゃって・・・
お礼言っておくからさ、ご馳走になろうよ。」と、
明るく言った。

どうして、あんな風に別れたのに、
こんな事するんだろう・・・
私の頭の中は、めちゃくちゃになりそうだった。

帰り際、彼の席まで行って、
「どうも、ご馳走様でした。
ありがとうございました。」
と、頭を下げた。
その時の私には、それが精一杯だった。

友達は、私の態度を見て、
何か気付いていた。
帰りの車の中で、
「花音って、すぐ顔に出ちゃうよね。
あの人と何かあった?」と、聞かれた。
「別に・・・何もないよ・・・」
私は、そっけない返事をした。

                 つづく

   

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