理想の彼【22】
2005年3月23日正くんは、明るく近況を話してくれた。
そして、相談があると私に言った。
私は、夜に、もう一度、かけなおして欲しいと、
お願いした。
夜、正くんから電話があった。
『俺、彼女が出来たんだ。
だけど、振られたんだ・・・
その彼女、別れる時に、お前と同じ事を言ったよ。
俺の頑張る所が息苦しいって・・・
甘えられないって・・・
俺、どうしたらいいのか、分からなくなって・・・
お前なら、その彼女の気持ち、分かると思ってさ。』
いつも、自信に満ち溢れていた正くんが、
とても力なく感じた。
『たぶん、彼女も、正くんの一生懸命なところ、
大好きだったんだと思うよ。
でもね。みんながみんな、正くんのように
一人で頑張れないんだよ。
正くんがきっと無言で、彼女にプレッシャー与えていたんだと思う。
相手のいいところだけを見るんじゃなくて、
悪いところやダメなところも、
ちゃんと見てあげられて、認めてあげられるっていうのが、
本当に好きだって事だと思うよ。
正くんが、自分に厳しい分、
相手に対しても厳しくなる気持ち、すごく分かる・・・
でも、女の子はきっと、そんな事を望んでいるんじゃなくて、
私じゃないとダメな理由や、存在している理由を、
示してもらいたいんだよ。』
私は、あの時言えなかった気持ちを、
正くんに、言った。
【つづく】
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