最初の言葉

　　　　　
yasuと話した、
最初の言葉、覚えてる？

クラスメイトだったyasuは、
授業中、いつも居眠りばかりで、
席順も出席番号順で、遠いから、
話した事もなかったよ。

あの冬、
私が、yasu達のバンドの練習を、
偶然見た事で、
始まったんだよね。

次の日、yasuが私に、
『昨日、お前、
俺らの練習、見に来ていたよなぁ〜
あの時、誰の事見てた？』

すごく、照れくさそうに、
言うもんだから・・・

『誰って、誰も見てないよ・・・
だって、私、近眼だし、
あの距離じゃ、ほとんど見えないもの・・・』

『じゃあ、俺を見てた事に、
しておいてくれよ・・・
そういう事で・・・』

あとで、バンドのメンバー全員が、
私が、自分を見ているって勘違いして、
言い合いになって、
私と、同じクラスだったyasuが、
私に確認する事になったと知った・・・

yasuとの、初めての会話・・・
いろんな偶然と、この出会いから、
私達は、動き出した。
たくさんの仲間と出会い、
ほんの数ヶ月で、yasuは私にとって、
誰よりも大事な仲間の一人になった。

yasuの前でしか、泣けない私。
yasuの前でしか、素直になれない私。
yasuの前でしか、笑えない私になってしまった。

別れの言葉は、
忘れてくれて構わないから・・・
最初の言葉だけは、
覚えていて欲しい。