2年になる春休み、
友達に誘われて遊びに行った先で、
2つ上のテニス部の女の先輩と、一緒になった。
話した事もあまりなくて、
雲の上のような存在の先輩だったけど、
いろいろ話しかけてくれて、
当時流行っていた、
カセットテープを貸してくれる事になった。

『4月に弟が、中学に入るから、
返すなら、弟に渡してくれる?』と、先輩は言った。

4月になって、その弟の教室へ行き、
カセットを渡した。
背が高くて、大人びた顔をした彼は、
少し微笑んで、私を見た。
『姉ちゃんから、あんたの事、聞いてた。
もっと、おとなしい子、想像してた・・・』
と、生意気な口調で、言い放った。

それがきっかけで、
私は、直と話をするようになった。
そして、直といつも一緒にいる、
陽とも、話すようになっていた。

直と陽は、
違う小学校で、少年野球をしていた。
2人とも、エースで4番。
よく試合もしていたから、
お互いの事もよく知っていて、
同じ中学で、同じクラスになって、
自然に仲良しになったと言ってた。

私は、彼らを弟のように思えた。
憎まれ口ばかり言うけど、
心底憎めなくって、かわいいと思った。
私は、女の先輩というよりも、
頼りないお姉ちゃんという、感じだったのかもしれない。
2人には、いろいろ助けられたし、
一緒にいると、本当に楽しかった。

私達が、仲が良い事は、
学校中の誰もが知っていた気がする。
     
             (つづく)
    
   

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