正直、私の気持ちは、
直に向いているとは言えなかった。
弟の感覚から、抜け出せなかった。
直に気持ちを知った今、
なんだか、自然に振舞えない私がいた。
陽の前なら、私、いつもの私なのに・・・
陽の前なら、笑えるのに・・・
私は、陽といる自分が、心地良くなっていた。

3月になったある日、
直が、怪我をしていた。
わけを聞いても、『ちょっと・・・』としか言わなかった。
私には、心配かけさせないんだなぁ〜と、
そんな風に思っていた。

それから、数日後、
直の怪我が、康先輩の友達からの、
呼び出しで受けた傷だと知った。
私と付き合っている事が、
康先輩の関係者に知られて、
直は、私と別れる事を強制されたとの事だった。

康先輩は、私には何も言わなかった。
話しかける事もなければ、
輝くんを通じての伝言も・・・
心変わりした私が、許せなかったんだろうか?
それなら、どうして・・・

直は、私には何も言わなかった。
そんな直が、痛々しかった。
傷付けられた真実を知ると、
私が苦しむ事が分かってる。
直なりの、優しさと思いやりだと・・・

ちゃんと、直と向き合わなきゃいけない。
そう思えば思うほど、
私は、直に対して、
どんな風に接していいのか分からなくなっていた。
直が、弟を望んでない以上、
私は、直の望む存在でいなきゃいけない。
いつも、その狭間で、苦しんでいた。
   
  

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