6月の終わり、
友達から、直の伝言を受けた。
『もう、別れよう・・・』

私は、思いっきり泣いた。
直が、どんな想いで、告げてくれたのか・・・
自分の優柔不断な態度が招いた事・・・
ただ、肩の荷が下りたような気がして、
安心して、涙が出た。

陽は、別れた私を、気遣ってくれた。
直から、さよならした事を知っていたから・・・
私が、傷ついたんじゃないかって、
辛いんじゃなかって・・・
きっと、本当に辛かったのは、直なのに、
陽は、何も知らないまま、
私が笑えるようにと、優しくしてくれた。

私は、気付いてしまった。
陽に、直との事を触れられるのが、
嫌だったのは・・・
陽の前なら、素直でいられる。
陽は、弟じゃない。
今さら、陽への気持ちに気付いたところで、
どうしようもない。
ずっと、今のままの関係で、いたいから・・・

私は、陽への気持ちを、
隠す事に決めた。
   
   
    

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