Junior high school age その10
2007年5月28日私は、夏が過ぎ、部活を引退し、
受験生になった。
直とは、一切、話すこともなくなり、
その事が、私の心を救った。
陽とは、相変わらず、
じゃれていたけど、
気持ちを封じ込めるのに、精一杯だった。
ある日、後輩の女の子から、
修学旅行のお土産を手渡された。
『これは、直くんから・・・
花音先輩に渡してくれって・・・』
申し訳なかった。
直の方が、数倍大人だった。
直がいる以上、
陽への想いは私だけの中で、
しまっておこう・・・と、改めて思った。
『花音、お前、高校、どこに行くつもり?』
廊下ですれ違った陽が、突然、聞いた。
『親は、お金かからないから、
高専に行って欲しいんだけどね。
私は、K高校へ行きたいなって・・・
あそこなら、テニスも強いしね。』
『K高校なら、近いしな。
たぶん、俺も、K高校だろうし・・・
頑張れよ。』
きっと、陽も直も、K高校だろう。
私は、もう2人の目の届かない所へ、
行ってしまいたかった。
直に対する負い目は、
直の存在が近くにある限り、消えないだろう。
逃げるんじゃないけど・・・
そんな卑怯な私がいた。
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