毎週土曜日は、
先生に勉強を教えてもらう口実で、
私は学校に残り、
陽の野球の練習が、終わるのを待っていた。
生徒会役員専用の部屋で待ち合わせをして、
少し話をするのが、
約束になっていた。

その日に限って、
なんとなく、誰かに見つかる気がしていた。
悪い予感は、的中した。

私が、生徒会役員の教室に入るところを、
私の担任に見つかってしまった。
部屋の戸が開いて、
『花音、なんでここにいる?』と先生は言った。
と、同時に、
一緒にいる陽を見て、先生もビックリしていた。
そう、私の担任は、野球部の顧問。
陽は、野球部のキャプテン。
先生は、『そういう事か・・・』と、笑ったけど、
私は、絶対怒られると思った。

『先生、誰にも言わないでください。
私、ちゃんと勉強もしますし、
陽くんの野球も、勉強の邪魔も、しませんから・・・』
先生は、笑いながら言った。
『ほぅ。いいデート場所、見つけたな。
俺のかわいい教え子達だから、
誰にも言わないでおくよ。
ただ、秘密なら、今度は誰にも見つかるなよ。』

月曜日、やっぱり担任に呼ばれた。
     
     
 

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