卒業式が終わり、
クラスに戻ると、みんなが褒めてくれた。
『泣いたのは、演出?』なんて言われたけど、
きっと、他の誰だって、泣いちゃうよ・・・と、
みんなで話していた。

中学時代、最後のHR。
担任の先生は、黒板に『一期一会』と書いた。

『君達には、これからも、
いろんな出会いと別れがあるでしょう。
先生は、君達の事を、
絶対に忘れられないと思います。
なぜなら、阪神が21年ぶりに優勝した年に、
担任をしたクラスだからです。』
大きな笑いが起こった。
阪神ファンの先生らしい、言葉だった。

HRが終わり、先生に声をかけられた。
『花音、答辞よかったぞ。
やっぱり、最後に盛り上げてくれたなぁ〜』と、
褒めてくれた。
『私、大丈夫でしたか?
緊張しすぎて、間違っちゃうし、
涙で読めなくなっちゃうし・・・』
私は、すごく情けなくなっていた。
『でもな。涙がない答辞なんて、感動しないぞ・・・
だから、やっぱりお前でよかったんだよ。』

先生のその言葉で、
少しだけ救われたような気がした。

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