Nくんからの電話

　　　　　　　　　　

お昼過ぎ、
同じクラスだった、Nくんから突然の電話。

お盆に、電話があって、
私の実家の近くに行くんだけど、
里帰りしてないのか？って・・・

Nくんは、同級生だけど、
弟みたいな存在。
甘え上手で、いい加減で、どうしょうもないけど、
なぜか憎めない存在。
5年間も同じ教室にいると、
どうしても、恋愛感情よりも、
幼なじみみたいな友達感覚で・・・

特に用事はなかったんだけど、
私の実家で、同級生を見かけて、
卒業以来、10数年ぶりに逢ったから、
声がかけられなかったと言ってた。
いろんなみんなの近況や、世間話をした。

懐かしい声は、私を10代に戻してしまう。
心も、感情も・・・
『花音は、変わらないよなぁ〜』と、
Nくんの一言が、嬉しい様な、
大人になっていないって事なのかと、
複雑な感じ・・・

きっと、yasuの前の私もそうだ・・・
一緒に過ごした、
あの頃の私のまま・・・
そして、yasuを想う私も・・・
あの頃と、ちっとも変わっていない。
人間なんて、そんなに簡単に変われない。

ただ、時間だけは、確実に過ぎていく。
それは、現実。